座りすぎの目安と根拠
タチアガロは「座りっぱなし 30 分」で知らせ、「1 日の座り時間 5 時間」を目安に表示します。この 2 つの数字をどう決めたかを説明します。
先に結論
- 「30 分」は、厚生労働省のガイドが座りっぱなしを中断する間隔の例に挙げる「30 分ごと」に合わせています
- 「何時間以上座るといけない」という公式の上限は、厚生労働省にも WHO にもありません。「5 時間」は、研究でリスクが上がり始める 1 日 7.5 時間あたりから逆算した目安です
座りすぎはなぜよくないのか
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」は、座っている時間が長くなるほど死亡リスクが高くなるという研究(34 件のコホート研究のまとめ)を紹介し、「座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する」ことを勧めています。
WHO も 2020 年のガイドラインで、年齢を問わず「座っている時間を減らす」ことを初めて推奨に入れました。
日本人は座っている時間が長いことで知られています。20 か国を比べた調査では、日本は平日 1 日の座位時間(座っている時間)が 7 時間(自己申告の中央値)で、最も長い国でした。
なぜ 30 分で知らせるのか
厚生労働省のガイドは、長く座り続けるのを「できる限り頻繁に(例えば、30 分ごとに)中断する」ことが、心血管代謝疾患のリスクを下げるのに大切だとしています。心血管代謝疾患とは、食後の血糖値や中性脂肪などにかかわる、心臓や血管の病気や糖尿病などのことです。タチアガロの「30 分」は、この例にそのまま合わせました。
お尻(痔)の面から見ても、肛門科の医師が監修した記事は、座りっぱなしが 1 時間を超えるようなら一度立ち上がること、20 分に 1 回立ち上がって座るだけでも肛門の負担が軽くなることを挙げています。30 分は、この 20 分から 1 時間のあいだにも入ります。
立っている時間は長くなくてかまいません。立って伸びをする、飲み物を取りに行く、といった短い中断で大丈夫です。
なぜ 1 日 5 時間を目安にするのか
1 日に何時間までなら座ってよいか、という数字は、厚生労働省も WHO も示していません。WHO は検討したうえで「根拠が足りない」として上限を置きませんでした。
手がかりになるのは研究の結果です。加速度計で約 3 万 6 千人の座位時間を測った研究(Ekelund ら、2019 年)では、1 日の座位時間が 7.5〜9 時間あたりからゆるやかに、9.5 時間を超えると急に死亡リスクが上がっていました。比べた相手は最も座る時間が短い人たちで、対象は平均 62.6 歳の中高年です。
この「7.5 時間」は、仕事のあいだだけでなく、通勤や食事、テレビなどを含めた 1 日全体の座位時間です。仕事以外で 2〜3 時間は座ると考えると、仕事中の座り時間を 5 時間までにすれば 1 日全体で 7〜8 時間になり、リスクが上がり始める線の前後に収まります。そこで 5 時間を目安にしました。
アプリで計るのは、計測を始めてから終えるまで(主に仕事中)の座り時間です。5 時間は、あくまで逆算した目安で、医学的に決まった上限ではありません。アプリでも「上限」ではなく「目安」と表示しています。
運動で補える部分もある
100 万人以上のデータをまとめた研究(Ekelund ら、2016 年)によると、1 日 8 時間以上座っていても、1 日 60〜75 分ほどの早歩きなどの運動をしている人には、死亡リスクの上昇が見られませんでした。座る時間を減らすことと、体を動かすことの両方が大切です。
ご注意
このページは公的なガイドラインと研究をもとにした一般的な情報で、診断や治療の代わりにはなりません。痛みやしびれなど体の不調がある方は、医師に相談してください。
出典
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」(概要 PDF、本文 PDF)
- WHO「身体活動・座位行動ガイドライン 2020」(解説論文)
- Ekelund U, et al. Dose-response associations between accelerometry measured physical activity and sedentary time and all cause mortality. BMJ 2019(PMC6699591)
- Ekelund U, et al. Does physical activity attenuate, or even eliminate, the detrimental association of sitting time with mortality? Lancet 2016
- Bauman A, et al. The descriptive epidemiology of sitting. Am J Prev Med 2011(スポーツ庁 Sport in Life の紹介記事)
- 天藤製薬「ボララボ」(座りっぱなしと痔)
2026 年 10 月 5 日 調べ